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2009年10月 7日
むし歯は予防できる病気です
むし歯は、「毎日きちんと歯みがきをしていても、なってしまう仕方のないもの」ではありません。
お口の中で再石灰化(※1)が優勢であれば、歯は健康な状態を維持することができ、脱灰(※2)が優勢であるとむし歯が進んでしまいます。
つまり、むし歯は、「歯」と「細菌(歯垢)」と「糖」という3条件がすべて揃ったためにお口の中が酸性に傾いてしまい、バランスが崩れて脱灰が優勢になる状態が長く続いてしまったときに発生します。
※1:リン酸とカルシウムから歯のエナメル質が補修されること
※2:歯のエナメル質からリン酸とカルシウムが溶け出すこと
逆にいえば、むし歯は要因を揃えないようにすることで予防できる病気なのです。
■早期発見、早期治療(経過観察、再石灰化)
むし歯は、自覚症状がではじめているのであれば、もう既にかなり進んでしまっている段階です。
すぐさま治療を受けなければなりません。
ご存じのとおりむし歯は自然には治りません。
「歯医者が怖いから」「通う時間がないから」などと放ったらかしてしまうとさらに進行し、
治療が複雑になり、治療期間が長くかかってしまうだけです。
(しかし、初期のむし歯には例外もあります。ごく初期のむし歯であれば、削らずに経過観察したり)、再石灰化療法をおこないます。)
■むし歯治療のゴールは、予防のスタート
さて、あなたがむし歯になってしまい、治療を終えた直後だと仮定しましょう。
ここで、あなたはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
「ああ、これでようやく歯医者通いから解放された。歯医者はもうこりごり!」
と、新たなお口のトラブルが発生し次に歯科医院にかけこむ時まで、また今までと同じ生活に戻られるのでしょうか?
それとも、「二度とむし歯にはなりたくないな。でも、なんで私はむし歯になるんだろう?むし歯って予防できるのかな?」とむし歯の原因と予防に関心を持たれるのでしょうか?
残念ながら歯は身体の他の部分と異なり、再生能力がありません。
よく、「むし歯になったら治せばいいよ」と思っていらっしゃる方がいるのですが、現在の歯科医療技術では、いちど治療した歯は本来の健康な歯に比べて格段に弱く、「いちどむし歯になったところ」=「むし歯になりやすいところ」になってしまいます。
すぐに対策をたてなければ、せっかく治療したのにまた同じ場所にむし歯が再発してしまいます。
毎日のお口の中の歯の働きは想像以上に過酷なものです。
いちども治療したことのない健康な歯の方が、断然強いのです。
もしむし歯になってしまったのであれば、なぜむし歯になるのかということ、むし歯にならないように対策(予防)をとることが可能であることを知っていただきたいと願っています。
むし歯治療の終わりは、むし歯の予防(正しい歯みがき、食生活の改善など)をスタートする絶好の機会です。
当院では、「歯ートフル倶楽部」という大人(高校生以上)のむし歯予防のためのクラブを設けています。
このクラブは、入会金・年会費などは一切無料ですし、基本的に全て保険適用です。(詳しくは「当院の予防歯科プログラム」をご覧ください。)
「治療のために」ではなく、「痛くならないように、ご自分の歯で一生過ごせるように予防のために)」歯科医院に足を向けていただきたいのです。