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歯周病(ししゅうびょう)とは

歯周病は、昔は歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていました。
歯周病とは、歯周組織の病気の総称です。

大雑把にいえば、小学生~20歳代の若年層に多くみられる「歯肉炎(しにくえん)」と、歯肉炎が進行し歯周組織が徐々に破壊される「歯周炎(ししゅうえん)」に大別されます。

歯肉炎は、歯周病の初期段階に見られる歯ぐきの炎症のことで、
「なんとなく歯ぐきがむずがゆい」
「歯みがきすると出血する」
「歯ぐきが赤くはれぼったい」などの症状が見られます。

この時点ではまだ歯周組織の破壊は起きていません。
さらに炎症が広がって歯の回りの組織が破壊され始めると歯周炎となりますが、みなさんがいわゆる「歯周病」と呼んでいらっしゃるのは、この歯周炎になってしまった段階の歯周病のことです。

▼歯周病の進行図

「歯周病」「歯槽膿漏」などという名前はご存知でも、実際に歯周病とはどのような病気で、何が原因で起こり、どのような症状が出るか、ということをご存じの方は意外に少ないようです。

それでは、歯周病になってしまう原因とは何なのでしょうか?

歯周病の原因は、お口の汚れでした

歯周病の原因はお口の汚れです。
歯垢(プラーク)や歯石には歯周病菌という細菌が存在していて、その歯周病菌に
歯周組織が感染して起こります。

歯周病の原因は、お口の汚れでした歯周病の目安は、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間にできる溝)が4mm以上あるかどうかです。

※歯周ポケットはご自分で測定することができませんので、歯科医院で歯科衛生士が専用の器具で測定します。


50代の約半数はこの歯周ポケットが4mm以上あり、更に成人の8割は歯周病にかかっているといわれています。

歯周病と全身疾患との関係

近年の研究で、歯周病はお口の疾患に限らず、全身疾患とも綿密な関係があることが判ってきています。

重症の歯周病になりお口の中に歯周病菌が増殖すると、歯周病菌が血液や呼吸器内に入り込み、心筋梗塞・動脈硬化症・感染性心内膜炎・誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)・早産などを引き起こしやすくします。

また、糖尿病との関係は深く、
糖尿病によって歯周病が悪化しすい
  ↓
歯病が重症化し糖尿病に悪影響を与える
  ↓
さらに糖尿病が悪化する
、といった悪循環を繰り返してしまいます。

その他にもバージャー病、肋間神経痛などとも関連があることが最近の研究で明らかになり、また、体内に潜伏しているHIVウイルスを発症させる可能性があることも報告されています。

歯周病は、人類で最も感染者数の多い感染症です

歯周病は、人類が誕生してから今日まで、一番感染者数が多い感染症なのだそうです

「まさか私が歯周病のはずがない」ではなく、「もしかしたら私も歯周病かも・・・」と感染を疑ってみてください。
歯周病にかかってしまっても、すぐに症状があらわれるわけではありません。
歯周病は、年月をかけてじわりじわりと進行し、初期には自覚症状がありません。
自覚症状が出たころは、もうかなり進行していることがほとんどです。

今からでも遅くありません、いちど検査のためにお越しくださることを願っています。

歯周病の自覚症状

歯周病の自覚症状としては
 ・歯ぐきが腫れる
 ・歯ぐきから出血する
 ・口臭がひどい

というようなことがあげられます。

このような自覚症状を感じるようになった時には、かなり症状が進んでいる状態です。

こうなってしまうと治癒するには難しく、状態をやや改善させること、現状を維持すること、進行を遅らせることが治療の主眼となってしまいます。
また、歯周病の最終段階では歯の周囲を取り囲んでいる骨(歯槽骨)が溶けてしまい、歯がぐらつき、歯が抜け落ちてしまいます。

若い時に歯を失うのはむし歯が原因であることが多いのですが、中年以降に歯を失う最大の原因は歯周病です。年をとったから歯が抜けるのではなく、その多くは歯周病のために歯が抜け落ちているのです。

「歯がグラグラしてるから直してください」とご来院されても、残念ながらその時点ではもう手遅れです。

歯周病に最も有効な方法は「予防」しかありません。
歯周病にかからないうち、自覚症状のないうちに早期に予防(定期健診・定期クリーニング)を始め、定期的に継続していくことが一番重要です。

歯周病の症例

▼歯周病になっていない、正常な状態のレントゲン写真
歯周病の症例

▼初期歯周病のレントゲン写真
歯周病の症例

▼中期~重度歯周病のレントゲン写真
歯周病の症例

▼重度歯周病のレントゲン写真
歯周病の症例

▼歯周病の口腔内写真
歯周病の症例

当院の歯周病治療

当院の歯周病治療「歯ートフル倶楽部」  (⇒詳細はこちら
当院では、成人のためのむし歯・歯周病予防クラブ「歯-トフル倶楽部」を設けています。
定期的に健診・クリーニングを受け、あなたのお口の健康に関心をもってくださる方に、励みになるようささやかながらいくつかの特典をご用意しました。(集会をしたりするわけではありません。)
"クラブ"といっても、任意で加入する気軽なもので、入会金・年会費などは無料です。

当院のクリーニングにはPMTC、エアフローも含まれます(⇒むし歯・歯周病の予防について
当院の定期クリーニングには、必要に応じてPMTCやエアフローも含まれ、全て保険適用でおこなっております。
最近よく耳にする「デンタルエステ」などの呼称の、自費診療(保険外診療)クリーニングと同等の内容となっています。

歯周病治療の流れ

【予診】
まず最初に、現在の健康状態、服薬、喫煙習慣など、治療をおこなうに当たって必要な情報を伺います。
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【歯周病の説明】
歯周病の治療は、歯周病とはどういうものなのかということを詳しくご説明することから始まります。
歯周病は何が原因なのか、どのようにして起こるのか、放置しておくとどうなってしまうのか、日々の生活ではどのようにお手入れすればよいのかといったことをお話します。
診療台の前に設けられた画面に、CGアニメーションを映し出しながらご説明しますので、「とても解りやすい」とご好評をいただいております。
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【ヒアリング】
日頃のお口のお手入れ方法をおたずねします。
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【レントゲン撮影】
お口全体を一括撮影できるレントゲンを撮影し、あなたの今現在の歯槽骨(歯の周囲を取り囲んでいる骨)の状態をご説明します。
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【歯周ポケット検査】
歯科衛生士が、専用の器具を用いて歯周ポケット検査をおこないます。
注意しなければならないのは、ポケットの深さが4㎜以上の部分です。4mmを超える部分は、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まってしまいます。
歯周病が進みやすいので、普段から注意してお手入れをしなければなりません。
検査結果はわかりやすい表にしてお渡ししています。
ご自宅でもう一度ご覧になり、お手入れの指針となさってください。
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【お口のプロフェッショナルクリーニング(スケーリングとルートプレーニング)】
お口の中の汚れには歯垢(しこう、プラーク)と歯石があり、さらに歯石は歯ぐきから上の歯の表面にこびりついた縁上歯石(えんじょうしせき)と、歯周ポケット内の歯の根の部分に固着した縁下歯石(えんかしせき)の二種類に分かれ、特に暗褐色の縁下歯石は強固に付着しています。
歯垢はご自分で除去できますが、みがき残した歯垢が時間とともに唾液中のカルシウムによって石灰化してできた歯石は、歯科医院でしか取り除けません。
歯石は量に差はあれ、9割以上の人にあります。しかも、歯石は一度きれいにしてもしばらくすると再形成します。
歯垢も歯石も、歯周病菌の格好の棲家ですので、放っておくと歯周病が進行してしまいます。

■スケーリング
歯石を取るための「スケーラー」という器具を用い、歯科衛生士が歯石を取り除きます。
スケーラーには手用スケーラー、超音波スケーラー、エアースケーラーがあり、歯石の付着状態、使用部位などに応じて使い分けます。
縁下歯石は強固に付着していますので、麻酔を使って除去することもあります。

※よく、「一回で全ての汚れをきれいにして欲しい」とおっしゃる方がいます。
歯石の量によって異なりますが、一度に全ての歯石を除去するとなると、まず2~3時間はかかってしまいます。長時間お口をあけていることは、思いのほか辛いものです。
また、長い間歯石が付いていた部位は、例えれば気づかずに着ぶくれて厚着をしていたのと同じようなもので、歯石を除去することはその全ての服を脱ぎ捨てて急に裸になるようなものです。
急激に刺激にさらされた部位は、痛み出したり、水がしみる症状が出てそれが継続する可能性もあります。
そうした場合、それらの症状に対処するほうが難しいこともありますので、ゆっくり数回に分けておこなうのです。

■ルート(歯根部)プレーニング(平滑にすること)
スケーリング終了後、歯周ポケットの奥深くに隠れた歯石や、細菌感染した歯質を除去し、再び汚れや細菌が付着しないように手用スケーラーを用いて表面をツルツルに仕上げます。歯周病が進行し、歯周ポケットが深い場合は麻酔をしておこなうこともあります。
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【プラークコントロール(お手入れ)指導】
歯周病予防・治療ともに基本となるのはプラークコントロールです。
歯周病の原因である、歯垢(プラーク)のみがき残しがないように、歯科衛生士が正しいプラークコントロール(歯みがきのやり方、歯間ブラシやデンタルフロスの使用方法など)を指導いたします。
歯周病は急速に症状が治まる疾患ではありません。しかし、クリーニングを受け、日常のお手入れを丁寧に正しくおこなうことで徐々に改善が見込めるのです。
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【定期メンテナンス】
お口の状態によって異なりますが、およそ3~6ヶ月ごとに、定期クリーニング・健診をおこないます。
歯周病は、歯科医院任せでは決して改善しません。あなたと当院の二人三脚です。

薬(抗生物質)による歯周病治療
歯ぐきの炎症が強くて膿が出たり、出血している場合は、薬を直接歯周ポケットに挿入して増殖した細菌を減少させ、細菌の増殖を抑える治療も同時におこないます。

レーザーによる歯周病治療
状況によって、レーザーを歯周ポケットに照射します。
レーザーを歯周ポケットに照射することで、歯周病菌の殺菌・消毒をすることができます。また歯周ポケット内面の慢性的な病変組織に新しい組織の再生を促す効果もあります。

つめ物(インレー)・かぶせ物(クラウン)の修正
つめ物やかぶせ物が合っていなければ作りかえる治療をおこないます。
きちんと合っていれば、歯垢が付きにくくなりますし、歯みがきで歯垢を取り除きやすくなります。
よって歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できるのです。

歯ぎしりや噛みしめの治療
歯ぎしりや噛みしめは、歯や歯の周辺組織に大きな負担がかかり、歯周病を悪化させる原因になります。
あなたの歯にぴったりと合った医療用マウスピースを製作し、歯ぎしりや噛みしめによる負担を軽減する治療をおこないます。

暫間固定(T-FIX)
歯周病が進行していて歯がぐらついているときなどは、歯と歯を何本か一緒にギプスのように接着剤で固定したり、被せ物をつなげたりする場合もあります。
暫間固定は文字通りあくまでも暫く(しばらく)の間の処置で、これによって食事や歯みがきに耐えられるようにします。

歯周外科治療
重度の歯周病の場合、歯ぐきを切って奥深くの歯石や細菌感染した歯質を完全に除去したり、溶けてしまった歯周骨を回復させる処置をおこないます。

抜歯
歯周病が重度に進行して歯槽骨の大部分が溶けてしまい回復が望めず、他の歯や骨に悪影響を与える可能性がある場合には、残念ですが歯を抜くしか方法がなくなってしまうことがあります。
当院では「できるかぎり歯を抜かない」という方針で治療に当たっていますが、歯を支える周囲の骨がなければ、現在の歯科医療技術では限界があるのです。

歯についてのご相談・診療予約を受け付けています

ご予約・お問い合わせ 048-837-8241。南浦和駅 徒歩7分。さいたま市文化センター近く。駐車場完備。


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