2009年10月 8日 « トップへ » 2009年10月14日

2009年10月 9日

なるべく削らない・神経をとらない・抜かない

歯はいちど削ってしまえば、もう二度ともとに戻らない貴重なものです。
しかも、大きく削ってしまったり、神経を取り除いてしまうと、その歯は格段に弱くなってしまいます。

当院では、"できる限りご自分の歯と永くお付き合いしていただきたい"という方針のもと、
基本的に「なるべく削らない・神経をとらない・抜かない」という姿勢でむし歯治療にあたっています。


例えば、歯の神経にぎりぎり達してはいないけれども、とても深いむし歯があるとします。
当院では10年、20年先を見据えて神経をできるだけ残すようにしています。
というのも、神経がある歯と神経がない歯では、歯の寿命に後々大きな差が出てきてしまうからです。
それは生木と枯れ木の違いに似ています。神経のない歯は枯れ木です。
生木(神経のある歯)に比べ、スカスカで弾性のない状態になってしまいます。


しかし、ようやく神経を残して無事治療を終えても、体調を崩したり風邪をひいて熱を出したりすると、それが引き金となって神経が再び興奮してしまい痛みがでることがあります。
すると「治した歯がまた痛くなった。いい加減な治療をしているのではないのか。」と言われてしまうこともあります。

このようなトラブルを避けたいがために、神経に近いむし歯は神経を取ってしまう先生もいらっしゃるのです。
「治療後に痛みが出た」=「歯に良くない治療、いい加減な治療」とは限らないのが難しいところです。

ちなみに、神経に近いむし歯の治療は、むし歯を取り除き、神経を保護する薬をひいてから歯科医療用プラスチックや金属の覆いをして終了します。
終了後3か月ほどすると、神経の周囲にカルシウムが徐々に沈着し、神経が保護されて落ち着いてきます。

歯周病(ししゅうびょう)とは

歯周病は、昔は歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていました。
歯周病とは、歯周組織の病気の総称です。

大雑把にいえば、小学生~20歳代の若年層に多くみられる「歯肉炎(しにくえん)」と、歯肉炎が進行し歯周組織が徐々に破壊される「歯周炎(ししゅうえん)」に大別されます。

歯肉炎は、歯周病の初期段階に見られる歯ぐきの炎症のことで、
「なんとなく歯ぐきがむずがゆい」
「歯みがきすると出血する」
「歯ぐきが赤くはれぼったい」などの症状が見られます。

この時点ではまだ歯周組織の破壊は起きていません。
さらに炎症が広がって歯の回りの組織が破壊され始めると歯周炎となりますが、みなさんがいわゆる「歯周病」と呼んでいらっしゃるのは、この歯周炎になってしまった段階の歯周病のことです。

▼歯周病の進行図

「歯周病」「歯槽膿漏」などという名前はご存知でも、実際に歯周病とはどのような病気で、何が原因で起こり、どのような症状が出るか、ということをご存じの方は意外に少ないようです。

それでは、歯周病になってしまう原因とは何なのでしょうか?

むし歯治療にもさまざまな方法があります

【レーザーによるむし歯治療】
詳しくは「レーザー治療」をご覧ください。

【経過観察(要観察歯)】
昔と異なり、現在は「要観察歯(C0)」という考え方が導入されています。
見た目は、歯の溝が茶色っぽくなっていたり、チョークのような人工的な白さが歯の一部にあったりします。
これは、放っておくとさらにむし歯が進行する恐れがあるけれども、現段階ではごく初期なので処置の必要はない歯ということです。

先にも述べましたが、歯は治療で一度人の手が入ってしまうと極端に弱くなってしまいます。
むしろ治療をしないことが最善の治療であるということもあるのです。
また、この段階で継続的に正しいお手入れ(予防)をおこなうことで、本格的なむし歯への移行を防いだり遅らせたりすることができます。
あるいは、健全な歯への回復(再石灰化)を期待できる可能性もあります。

【再石灰化療法】
要観察歯の再石灰化を促進し、健康な歯への回復をめざします。
詳しくは「再石灰化療法」をご覧ください。


2009年10月 8日 « トップへ » 2009年10月14日


コールバック予約