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2009年10月 8日
かぶせ物にはどんな種類があるのですか?
小さなむし歯の場合
・部分的な小さなつめ物(コンポジットレジン)
・部分的なかぶせ物(インレー)
大きなむし歯の場合
・歯全体を覆うかぶせ物(クラウン)
歯を失った場合
・失った歯を中心に両隣の歯を土台にして連結したかぶせ物(ブリッジ)
・部分入れ歯
・人工の根(人工歯根)をあごの骨に埋め込み、その上に人工歯を装着するもの(インプラント)
大きく分類すると、以上のようになります。
また、インレー、クラウン、ブリッジ、入れ歯には、その使用材料によってさまざまな種類があります。
詳しくは「治療費用一覧」をご覧ください。
「差し歯」が取れたので付けてください。
「差し歯」という言葉は俗称で、歯科医療用語にはありません。
歯の歯ぐきから上の部分をむし歯などで失い、歯ぐきの中の根の部分だけが残っている状態(一見歯がないように見えます)の歯に、昔は「歯冠継続歯」という支台とかぶせ物が一体になったものを装着する治療をおこなっていました。
そのため、歯が無いところに歯を差し込んでできあがったように見え、「差し歯」と呼んだのだと思われます。
現在の治療方法では、歯の根の治療を終えた上に支台を立て、それからかぶせ物をするという2段階の工程を踏みます。
昔でいう「差し歯」は、現代では「クラウン(冠)」に当たります。
なかには、歯周病が原因で抜け落ちたご自分の歯をお持ちになり、「差し歯がとれたからまた付けてほしい」とか、あるいは、部分入れ歯が壊れたものを出されて、「差し歯が壊れたからとれない差し歯にしてほしい」とおっしゃる方がいらっしゃったのには驚きました。
どうやら、「差し歯」という言葉のイメージが先行し、「差し歯」という治療方法があると誤解されている方もいらっしゃるようです。
ご質問は、「クラウンが取れてしまったので治療をしてほしい」ということと推察いたしますが、まずはお口の中を拝見させていただかないことには判断がつきません。
歯全体を覆うかぶせ物をしたら、もうむし歯になりませんよね?
歯はお口を開けたときに見える歯ぐきから上の部分だけではありません。
歯ぐきから上(歯冠部)の部分と歯ぐきから下の根の部分(歯根部)があります。
ちょうど畑で大根が首を地上に出して生えているのと似ています。
全体を覆うかぶせ物をした歯は、この大根の地表の部分に覆いをかぶせたような状態です。
地中の大根の根にあたる部分も、立派な歯の組織ですから、完全にその歯を抜歯してしまわない限り、むし歯になる可能性はなくなりません。
むし歯の治療が終わってしまえば、その歯はもう虫歯になりませんよね?
せっかく治療を終えても、むし歯になったときと同じ生活(お口のお手入れや食生活など)をしていれば、また同じ歯がむし歯になってしまうでしょう。
むし歯になったところは、"むし歯になりやすいところ"です。
むし歯になった原因を知り、原因を改善しなければむし歯を繰り返してしまい、いずれはその歯を失ってしまう可能性があります。
治療を終えた時は、むし歯予防を開始する絶好のチャンスです。
痛みを軽くする治療をおこなっています
当クリニックでは痛みをより軽減する治療を受けられます。
症例によっては、麻酔なしでもレーザーで治療を行うことができます。
小さなお子さんや体に負担の掛けられない高齢者にはお勧めです。
また、麻酔が必要な場合でも、コンピューター制御された痛みの少ない麻酔注射器と、麻酔薬を体温に近い温度にできる(体温に近いほうが刺激が少なく、痛みを感じにくくなります)ウォーマーをご用意しています。
むし歯ができるメカニズム
むし歯(う触)とは、酸によって歯が溶かされる病気のことです。
歯にねばねばとこびりついている歯垢(しこう)の正体は、単なる食べかすなどではなく、むし歯の原因となる細菌の塊です。
この細菌が食べものの糖を利用して酸をつくり出し、その酸が歯をじわじわと溶かしてしまいます。
糖は砂糖だけではなく、ご飯やパンなど多くの食べものに含まれています。
【歯の脱灰と再石灰化】
お口の中では、歯が溶ける「脱灰」(だっかい)と歯が元に戻る「再石灰化」(さいせっかいか)
という現象が常に入り乱れて起こりバランスを保っています。
- -脱灰のメカニズム- -
【1】むし歯の原因となる細菌が、食べものに含まれる「糖」を利用して「酸」をつくり出します。
【2】細菌によってつくり出された「酸」によって、お口の中が酸性になります。
【3】お口の中が酸性になってしまうと、歯のエナメル質からリン酸とカルシウムが溶け出します。
この現象を歯の脱灰といいます。
- -再石灰化のメカニズム- -
【1】唾液(だえき)がお口の中を洗浄して中和し、歯のエナメル質からリン酸とカルシウムが
溶け出すのを抑えます。
【2】唾液が、脱灰した歯にリン酸とカルシウムを供給して、歯のエナメル質が補修されます。
この現象を歯の再石灰化といいます。